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フランス全土に広がったデモ「黄色いベスト運動」、凱旋門も被害に

11月17日にパリで始まった「イエロー・ベスト」デモは毎週末続きフランス全土に広がりました。12月1日にはパリの観光名所、シャンゼリゼ通りで大規模なデモが行われ一部が暴徒化、100人以上が負傷する騒ぎに。パリの名物、凱旋門が落書きされた上にマリアンヌ像などが破壊され、路上駐車された車や建物は火をつけられ、店が略奪される事態となりました

 

 

 

 

 

 

この抗議デモが始まったきっかけは燃料税の増税をめぐる不満でした。マクロン政権が地球温暖化防止のためディーゼル燃料に対する税金の値上げを導入しようとしていることに日々の生活や仕事の上で自動車を運転せざるを得ない人たちの不満をあおったのです。それでなくてもガソリンや軽油価格は高騰が続いていてディーゼル料金は1年で20%上がっており一般市民の負担は重くのしかかっていました

 

さらにこのデモは、燃料税だけでなく広く生活費全般の高騰に対する抗議活動になっています

 

マクロンといえば「右派でも左派でもない」ことを強調して極右政党のル・ペンを抑えて大統領に選ばれた人です。公共サービスの縮小、富裕層向けの減税、法人税の引き下げ、規制緩和などのネオリベラル路線はビジネス界やエリート層には受け入れられています。実際、フランス経済は上向きになってきているし企業の業績は上がりました

 

 

その反面、若者の失業率は改善せず物価も高くなりパリと地方との格差も大きくなってきています。富裕層向けの富裕税を廃止する一方で庶民に支払う税金を上げ年金受給額が減るなど、社会の底辺に生きる人にとって生活は苦しくなるばかりです

教育におけるでは、フランスはずっと幼稚園から中学までの子供に無料教育を提供しています。でも、富裕層の子供はより良い教育が受けらます、一般的な子供は学校をやめる人が多いです

このデモに触発されたのか、フランスの中等学校生徒約100人が教育改革に反対するデモ、救急車運転手が医療制度改革に反対するデモも同時進行で起こっています